こんなに巨大だと、素屋根をかけるだけでも大工事でしょう。
素屋根の最上階に上がると、天守閣の一番上(五層目)の屋根が目の前に。唐破風(からはふ)がけっこう大きくて驚きました。瓦を取り払った状態で、工事中だからこそ普段は見えないものが見えます。そばまで近寄れるわけではないのですが、工事中を見せるのはよい方法です。
何層にも木を積み重ね、その上に土を乗せ、平瓦を置いてさらに土で丸瓦を留める。葺いた後に瓦目地を漆喰塗りします。瓦がないからこそ屋根の重さが実感できます。うまくカーブを出すものですね。入母屋って、普通はあんな切れ込みないじゃないかな。かなり装飾的な屋根です。
屋根のこういう状態を土居葺き(どいぶき)といいます。屋根に野地板を張り、その上に長さが30センチほどの薄い長方形の木羽板(こばいた)を何層にも張り、竹釘で止めます。瓦の下葺きで、雨漏り防止になります。普通の家は、野地板の上にやはり防水用の紙?を張るよね。張ってから瓦を乗せます。
素屋根の上から2番目の階からは、五層目と千鳥破風(ちどりはふ)を設けた四層目の屋根が見えます。ところが、白鷺城と呼ばれる所以の白さがまったくありません。柱や壁の白い漆喰も塗り替えるため、すべて剥がされているからです。現場が見えるのはここと上の2つの階だけです。すばらしい天守の石積みがみられないのは残念。
素屋根の2番目の階から見た城内。天守閣に上って見るのとは、ちょっと違うようです。
西側から見た素屋根と連立天守。修理が終わるのは平成26年となっています。
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