2012年1月27日金曜日

ブルーベリーの休眠挿し

ブルーベリーの木を増やす方法には、「挿し木」と「接ぎ木(つぎき)」「取り木」があります。タネを蒔いて増やす実生(みしょう)は元の木と違うものができるので、ここでは取り上げません。1番簡単なのは、挿し木です。挿し木には「休眠挿し」と「緑葉挿し」があります。文字通り休眠期の枝を挿す方法と、葉が出ている時期の枝を挿す方法です。

いつ挿しても大丈夫?

休眠挿しは、休眠期ならいつやってもかまいません。「休眠期に入って剪定した枝を、水気を保持したまま冷蔵庫で保存して2月後半に挿す」などとよく紹介されていますが、そんなめんどうなことをしなくてもかまいません。穂木(ほぎ:挿す枝のこと)を取ったら十分吸水させてから挿します。穂木には最低3芽をつけ、土に入るほうの切り口は芽のすぐ下を鋭利な刃物で斜めにスパッとやって先をわずかに切り返し、2芽分ぐらいの長さを土に差し込む。こんな感じでOKです。用土はブルーベリー用で十分。挿す時には穂木の挿し口が傷つかないように、割りばしなどで穴をあけてやります。後は水の管理だけです。

よく発根促進剤をつけろと書いていますが、あまり気にしなくてもかまいません。木や草花の挿し木や挿し茎、挿し芽をひんぱんにやってきましたが、発根促進剤を使ったことはなく、使わなくてほとんどうまくいっています。使っても使わなくても、発根率に差はないと思っています。発根促進剤と並んでよくいわれる切り口の癒合剤も使ったことがありません。これまで切り口から腐ったり枯れ込んだりする目にあったことがないのです。ないのですが、ブルーベリーは切り口から枯れ込むことが比較的多いということなので、3年生から4年生へ向かう木を剪定して初めて使ってみました。といっても、「スチのり」の代用品です。市販の癒合剤は酢酸ビニル+薬剤ですから、スチのりで多分うまくいくと思います。

触れなばおちんで失敗だよ

水分管理と温度管理がちゃんとできれば、発根します。温度管理というと難しそうに聞こえますが、緑葉挿しでは暑すぎる夏を避けるとか直射日光に当てないとか、誰でもできることです。休眠挿しだと特にはないですね。やっぱり1番は水の管理です。水は絶対に切らしてはいけません。過湿気味にします。しかし、過湿で暑いと腐ることがありますから、注意が必要です。あとは穂木に絶対触らないことです。挿し木をして1ヵ月ほど経つと、気になってちょっと触れてみたりするんですよ。うまく経過していても、これでアウトになります。ブルーベリーの挿し木は、1ヵ月や2ヵ月では発根しませんから、じっと待ちましょう。

休眠挿しの場合、活着していなくても温度が上がってくれば、発芽して葉が展開します。初めて挿し木をすると、「やった!活着した」と思ってしまいますが、この段階ではまだ根は出ていません。穂木の養分を使って葉が出てきたのです。この葉の展開が止まってさらに時間が経過して、次の新しい葉が出てくればもう大丈夫です。そのまま普通に管理して、秋になったら植え替えます。これが1年生の苗です。

緑葉挿しも活着するまで時間がかかります。2011年6月22日に緑葉挿ししたデライトは、いまだにまったく芽は動かず、発根したのかどうかぜんぜんわかりません。でも、茎はちゃんと緑色のままで、葉っぱもきれいに紅葉して落ちました。おそらくすでに根は出ていることでしょう。3月には発芽してくると思います。

うまくいったらさしあげます

今回は、1月に13日に剪定したティフブルーとパウダーブルーを3本づつ休眠挿ししました。いつでもOKといいましたが、さてうまくいくか心配です。あと3本(ホームベル、ウッダード、ノビリス)の木を剪定しないで残してあります。これを剪定適期ぎりぎりの2月後半に剪定し、休眠挿しします。あっ、挿し木が成功し、苗ができたらさしあげます。

2011年6月22日に挿したデライト(1月17日の撮影)
グリーンのポットはパウダーブルー、黒のポットはティフブルー。枝が緑で張りがあれば生きている。

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